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概要

本部・支部だより

岐阜県産業教育振興会商業教育部会総会で横山忠氏に記念講演いただきました

2024.06.13
1.と き 2024年6月11日(火)
2.ところ (一社)岐阜県勤労福祉センター内「ワークプラザ岐阜」
3.参加者 高等学校の先生、会社社長、県会議員等、51名

2024年6月11日(火)、岐阜県産業教育振興会商業教育部会の総会が開催され、終了後の記念講演に、OB会名古屋支部の横山忠氏が講演をされました。その内容は現在の食料・農業問題を多角的な視点から的確にえぐり出した素晴らしいものでした。講師紹介者として同行した私にも、主催者(部会長や高等学校長)から「大変有意義な講演で勉強になりました」と、感激と感謝の言葉を戴きました。期待通りの反応に、流石日頃から勉強家で尊敬する横山氏を紹介できて良かったと思い、ここに投稿します。また、近日仙台でも講演されるとのことで、ご活躍を祈念します。小生も今後の日本にとって非常に重要なこの問題を、微力ながら地域活動の中で少しでも発信して行きたいと思います。

1.演題「我が国の食料安全保障」 副題・・食料危機は何処か遠い国の問題ではありません!
2.聴講生は高等学校の先生、会社社長、県会議員等で総勢51名。
3.講演の主な内容は下記の通りです。
⑴ 本題に入る前に、岐阜県ゆかりと言えば織田信長と言われるが、小生はリトアニアでユダヤ人に「命のビザ」を、外務省の許可がおりないまま首覚悟で発行した杉原千畝元外交官が岐阜県の矜持と思う。
⑵ 我が国の食料事情は危機と言う生易しいものではなく、食料自給率が低い為に異常気象や紛争が勃発するとたちまちに「飢餓」及び「餓死」になる、大変厳しい状況にあるという事を我々は共有しなければならない。
⑶ 東大大学院の鈴木宣弘教授及び、愛知大学の高橋五郎名誉教授の食料に関する著書からその厳しさをご紹介するが、国が発表するカロリーベース食料自給率38%は穀物、種、ヒナ、肥料等が大半を輸入に依存している現状では「幻の数字」で、世界で紛争や異常気象等があると物が入って来なくなり、実質的には10%に届かないのが実態で、まさに我が国は「隠れ飢餓国」である。
⑷ そのような状況にも関わらず、国は食料自給率向上には全く本気度がない。何故かと言えば、我が国が食料自給率を上げる事はアメリカからの穀物等輸入が少なくなり、アメリカに政治が忖度しているからで、1951年にサンフランシスコ平和条約が締結され我が国は主権国家になりましたが、このような実情を見ればまだアメリカの属国かとさえ思える。
⑸ そんな中でも食料問題に真正面から取組み、見事に成功している例を2つ上げます。
一つは、和歌山県の(株)プラスが運営する産直市場「よってって」です。和歌山、奈良、大阪で30店舗あり、市場を通さず農家から新鮮で安心な野菜が直接に搬入され、魚は地元の漁港から直送され、加工品は大半が地元産です。創業者の野田忠氏を文字って「野田モデル」と言われていますが「ゲームチェンジャー」になると思います。
二つ目は千葉県のいすみ市の有機食品の学校給食化で、市の助成で無償化し、授業でも子供達に「田植えから稲刈り」まで体験させています。太田洋市長が有機食品にとても積極的で、関東で10万人以下の自治体で、「住みたいまち第1位」に5年連続で選ばれている。岸田総理にも是非現地に行って貰いたい。
⑹ 今後、食は「エシカル」、国の力は「ウェル・ビーイング」、家畜は「アニマルウェルフェア」の時代でしょうか。
⑺ 最後に我が国の食料事業は「崖っぷち」にありますが、後世の人々が食に窮する事が無いようにするのは、政治の責任では無いだろうか。
「ただし、残された時間はそう多くはありません」

講演する横山忠氏

(寄稿者:名古屋支部 奥田孝道)