全農わかほ会(OB・OG倶楽部)全農わかほ会(OB・OG倶楽部)

概要

本部・支部だより

鈴木宣弘教授の講演会は大盛況のうちに開催されました

2023.10.16
1.とき 令和5年10月12日(木)14時~16時
2.ところ 岐阜商工会議所2階大ホール
3.参加者 約300名

10月12日、岐阜市内で岐阜商工会議所と燦餐の会の共催及びJAぎふ及びJA全農岐阜の協賛で、東大大学院鈴木宣弘教授の「『今、ここ』にある危機―深刻化する食料・農業危機―」の講演会が開催されました。定員300名の大ホールが満席になり、非常に活気ある熱いタウンミーティングになりました。
講演内容を全部披歴する事は出来ませんが、幾つか印象に残ったものを以下の通り報告致します。

1.我が国の食料安全保障崩壊の本質
(ア)日本が米国の余剰農産物の最終処分場となった
(イ)日本が米国などの安全性に懸念のある食料の最終処分場となった
(ウ)米国企業の利益の為に日本人が自ら動く様にする市場原理主義者の洗脳教育が進んだ
(エ)自動車の利益の為に農と食を差し出す「生贄」政策が断行された
(オ)我が国の食料安全保障崩壊は目先の農水予算削減しか見えない財政政策に起因する

2.トマホーク(戦闘機)では国民のお腹は一杯にならない(農水予算と防衛費予算の伸び率の実態)

項 目 1970年度(億円) 2023年度(億円) 倍率
農水予算 9,177 20,937 2.3
防 衛 費 5,695 101,686 17.9

3.国の言う農協改革は農業所得向上を名目にした「農協潰し」である
(ア)信用・共済マネーを掌握したい
(イ)共販を潰して農産物をもっと安く買い叩きたい企業がいる
(ウ)共同購入を潰して生産資材価格を吊り上げたい企業がいる
(エ)JAと既存農家が潰れたら農業参入したい企業がいる

4.昨年11月末の農水省前での千葉県の酪農家の悲痛な叫び
「毎日、毎日増え続ける借金を重ねながら365日休みなく牛乳を搾っています。国の政策に乗って借金をして頭数を増やしたけれど、借金が大きすぎて酪農を止めて返済できる金額ではありません。来年の3月までに9割の酪農家が消えてしまうかも知れません。牛乳が飲めなくなります。酪農が壊滅すれば牧場の従業員、獣医さん、エサ屋さん、ヘルパーさん等皆が仕事を失います。皆さんにお詫びします」
(備考)
この言葉には、我が国の酪農がかつて経験した事がない非常に厳しい状況と、国のその場しのぎの政策に翻弄される酪農家の叫びが込められています。

5.鈴木先生の食に対する基本認識について小生の捉え方
(1)市場開放を基本とする我が国の新自由主義者の代表である宮内義彦氏や竹中平蔵氏及び新浪剛史氏に対して(先生はこの3人をM・T・Nと呼ばれています)強い批判をされており、市場開放がすべて悪いわけでは無いが、国の根幹である「農」は絶対にそうすべきではない。
(2)先生は江戸時代を例えとして、鎖国時代に我が国は餓死者が多発したかと言えば、決してそうでは無いと言われています。現代でもやり方により食料自給率を飛躍的に上げる事は可能である。それは「循環型農業」が基本であり、自分で食べるものは自分で作る「地産地消」が大原則である。
(3)農協や生協などの協同組合の存在は極めて重要である。

6.講演内容を詳しくお知りになりたい方は、下記の鈴木教授著の本をご一読下さい。
(1)「世界で最初に飢えるのは日本」(講談社)
(2) マンガでわかる日本の食の危機(方丈社)

7.奥田孝道さんの閉会の挨拶

閉会挨拶をする奥田 孝道氏

奥田さんは閉会にあたり、下記の3点を述べられました。
1.我が国の食料問題は単に生産者―消費者と言う単一的な関係で無く、国民全体の喫緊の課題として捉えるべきである。
2.「JAぎふ」及び「JA全農岐阜」さんにはこの度の講演会において大変お世話になりました。先生も言われている「地産地消」の一層の発展の為に頑張って頂きたい。
3.国が今日の食料危機をつぶさに感じ取り、財務省、経産省、農水省の垣根を越えて対策を講じる様に「目を覚まして貰いたい」。
この締めの挨拶に、会場から割れんばかりの拍手が湧き起こりました。やはり今日の講演会に参加された方は大半が国の食料危機に関する鈍感さを感じておられると思いました。併せて全農の先輩の立派な挨拶に矜持を覚えました。
なお奥田さんは今年7月に「燦餐の会」の事務局長から副会長に昇進された事を申し添えます。

【OB会からの参加者】
講演会には全農OB会名古屋支部から15名の方に参加頂きました。講演会終了後に会場で先生を囲んで写真を撮りたいとお願いしたところ、気軽に受けて頂きました。それぞれ皆さんが先生のお話を聞いて、何か感じられた事があったと思います。

名古屋支部OB会参加者

参加者は下記の通りです(順不同 敬称略)
石垣績宏、中野正隆、長谷川勝、岡部裕司、藤城泰博、赤松仁悦、野際正博、西田典史、洞谷隆子、井上弓子、井深良子、澤田光江、川澄幾久裕、古川則夫、横山忠 ※井深さんは支部会員ではなく全農OB

(備考)
HPをご覧になる方は写真にマウスを当てて左クリックして頂ければ拡大して見る事が出来ます。皆、聴講の後なので賢そうな顔(?)をされていますね。

寄稿者:名古屋支部 横山 忠